EthernetポートのLEDが示すもの

PCやルーターのEthernetポート(RJ45コネクタ)には、小さなLEDが2つ付いていることが多い。何気なく目にする光だが、それぞれが異なる情報を伝えている。

リンク状態と通信アクティビティ

一方のLEDは、物理的な接続の有無と、データの送受信状況を示す。

  • 点灯していれば、ケーブルが正しく接続され、リンクが確立している
  • 点滅していれば、データパケットの送受信が行われている
  • 消灯していれば、ケーブルが抜けているか、相手側の機器が応答していない

この点滅は一見すると何らかの規則的なパターンに見えることがあるが、実際にはネットワーク上のトラフィック(パケットの送受信)に応じて不規則に発生しているだけであり、点滅のパターン自体に意味はないことがほとんどである。点滅していない場合は、単に通信が発生していない状態である。

通信速度の表示

もう一方のLEDは、リンク確立時にネゴシエーションされた通信速度を色で示す。10/100/1000 Mbps対応のポートでは、一般的に以下のような構成になっている。

  • ある色で1000 Mbps(ギガビット)接続を示す
  • 別の色で100 Mbps接続を示す
  • 10 Mbps接続時は消灯する

ここで注意が必要なのは、どの色がどの速度に対応するかはメーカーや製品ごとに異なるという点である。たとえば、Oracleのサーバー製品(Sun Blade 6000シリーズ)では、同一シリーズ内でも機種によってグリーンとアンバー(橙色)の速度対応が逆転していることが公式ドキュメントに明記されている。Lenovoのサーバー製品ではオレンジが1000 Mbps、グリーンが100 Mbpsを示す一方、別のメーカーでは逆の対応を取るケースもある。

RJ45 Ethernet コネクタポートの LED - Sun Blade 6000 Virtualized Multi-Fabric 10GbE M2 Network Express Module ユーザーズガイド
本書では、Hydra2 NEM の機能と使用法について説明します。

なんでSun Blade 6000シリーズだって?深い理由はない。

「緑が点灯していればギガビット」「橙は100 Mbps」といった一般化は、正確ではない。

LED表示に統一規格はない

Ethernetの物理層とデータリンク層を規定するIEEE 802.3は、LEDの色や点灯パターンについて何も定めていない。LED表示の実装はハードウェアメーカーに委ねられており、業界統一の標準は存在しない。

そのため、自分の使っている機器のLEDが何を意味しているかを正確に知りたければ、その機器のマニュアルを確認するのが唯一の確実な方法である。

まとめ

EthernetポートのLEDは、リンク状態・通信アクティビティ・通信速度という3つの情報を視覚的に伝えている。ただし、色と速度の対応関係には統一規格がなく、製品ごとに異なる。LEDの意味を正しく理解するには、機器のマニュアルを参照する必要がある。

Read more

暇が怖いだけ

今日あなたが「忙しい」と口にした回数を数えてみるといい。三回を超えていたら、それはもう事実の報告ではない。呪文だ。唱え続けることで、自分に存在価値があると確認するための。 忙しさは現代における最も手軽な自己証明になった。忙しくしていれば、少なくとも何かをしていることにはなる。何かをしていれば、生きている意味を問わなくて済む。逆に言えば、暇になった途端に、その問いが戻ってくる。だから人は忙しくする。忙しくあろうとする。忙しいと言いたがる。鎖を愛した動物のように、自分でかけた拘束を手放せない。 ここに一つ、居心地の悪い問いを置いておく。あなたが一日のなかで一番多くの時間を費やしていることは、あなたが一番大切にしていることと一致しているか。一致していないとしたら、その時間は誰のものなのか。 守られない時間 約二千年前、ストア派の哲学者セネカは『人生の短さについて』でこう嘆いた。人は財産や金のことになると吝嗇になるのに、時間を浪費することには驚くほど無頓着だ、と。時間こそ、最も惜しむべきものであるにもかかわらず。 この指摘は二千年経っても古びていない。むしろ悪化している。 財布か

By Sakashita Yasunobu

意味という病

あなたの人生に意味があるかどうか、宇宙は一度も気にしたことがない。 太陽は46億年前から燃えている。地球は回り続けている。そのどこにも、あなたの存在を前提とした設計図はない。もし明日、人類がまるごと消えたとしても、星は瞬き続ける。海は満ちて引く。何も変わらない。 それなのに、人は意味を求める。仕事に意味を、人間関係に意味を、生きていること自体に意味を。朝起きるたびに、意識するにせよしないにせよ、「なぜ」という問いがどこかで回っている。 これは病だと思う。 治す方法があるのかどうかも分からない、厄介な病だ。 観客のいない劇場 一つ、思考実験をしてみる。 もし宇宙のどこにも、人間以外の知的生命体がいなかったとしたら。誰も人類の存在を知らず、誰も観察しておらず、誰も記録していなかったとしたら。人間がこの星の上で営んできたすべてのこと、文明、芸術、戦争、愛、それらに意味はあるだろうか。 直感的には「ある」と言いたくなる。でも、その「ある」の根拠を言語化しようとすると、途端に足元が崩れる。 意味というのは、誰かがそれを認識して初めて成立するものだという立場がある。であれば、宇

By Sakashita Yasunobu

優しい人から壊れる

友人が泣いている。あなたはその隣に座って、背中をさする。言葉が見つからないまま、ただそこにいる。胸が詰まる。相手の苦しみが、自分の胸にも流れ込んでくるような気がする。 それは美しい光景だ、と誰もが言う。 ただ、もう少しだけ先を考えてみてほしい。あなたが感じているその痛みは、本当に相手の痛みだろうか。それとも、相手の痛みに触発された、あなた自身の別の何かだろうか。そして、その区別がつかなくなったとき、壊れるのはどちらだろう。 スポットライトの外は暗い 共感には奇妙な性質がある。近くにあるもの、目に見えるもの、名前と顔があるものに、不釣り合いなほど強く反応する。 イェール大学の心理学者ポール・ブルームは2016年の著書 Against Empathy で、共感をスポットライトに喩えた。照らされた一点だけが鮮やかに浮かび上がり、その外側は真っ暗なままだ。一人の子どもが井戸に落ちれば世界中が涙を流すが、統計の中で消えていく数万の子どもたちには何も感じない。 ブルームの指摘はさらに厄介な方向へ進む。共感はバイアスに満ちている。自分に似た人、魅力的な人、同じ民族や国籍の人に対して、よ

By Sakashita Yasunobu

何も起きなかった日

先月の火曜日に何をしていたか、思い出せるだろうか。 おそらく思い出せない。それは記憶力の問題ではなく、何も起きなかったからだ。何も起きなかった日は記憶に残らない。記憶に残らない日は、振り返ったとき、最初からなかったのと区別がつかない。 人生の大半は、こういう日でできている。 溶けていく曜日 子供の頃の夏休みは果てしなく長かった。35日間が、体感では半年くらいあった。ところが大人になると、半年が体感で35日くらいになる。時間の流れ方が、どこかで反転している。 神経科学者のデイヴィッド・イーグルマンは、この現象を記憶の密度から説明している。脳は新しい経験に遭遇すると、より多くの情報を符号化する。記憶が密であれば、あとから振り返ったとき、その期間は長く感じられる。逆に、毎日が同じパターンの繰り返しなら、脳は記録すべきものをほとんど見つけられない。記憶はスカスカになる。スカスカの記憶を振り返ると、時間はあっという間に過ぎたように感じる。 つまりルーティンは、主観的な人生を縮めている。比喩ではない。知覚の構造として、そうなっている。毎日同じ道を歩き、同じ時間に同じ席に座り、同じもの

By Sakashita Yasunobu