光と写真
写真の物理学 ㊺ 印刷の物理学
📐写真の物理学シリーズ ㊺ このシリーズでは、写真にまつわる現象を物理学の言葉で記述する。「なんとなくそうなる」を「なぜそうなるか」に変換することが目的である。 写真の最終出力にはディスプレイともうひとつ、印刷がある。ディスプレイが自ら光を発して色を作るのに対し印刷は光を吸収して色を作るという根本的な違いがあり、この物理を理解しないまま「モニターで見たとおりに刷れない」と嘆くのは問題の入口にすら立てていない。本稿ではインクジェット・銀塩プリント・オフセット印刷の物理的原理とそれぞれが抱える色再現の限界を記述する。 減法混色の物理 ディスプレイの物理学で論じたとおり、ディスプレイはRGBの加法混色で色を作る。赤・緑・青の光を足し合わせ、すべて足すと白になる。印刷はその逆で、白い紙に反射した光からインクが特定の波長を吸収し、残った光が目に届くことで色が知覚される。これが減法混色である。 CMYの三原色は、それぞれRGBの補色にあたる。 * シアン(C) は赤の光を吸収し、緑と青を反射する * マゼンタ(M) は緑の光を吸収し、赤と青を反射する * イエロー(Y) は青の