ストロボの出力表記
ストロボの出力表記には、主に分数表記と数値表記の2種類がある。それぞれの仕組みと、実際の撮影での使い勝手の違いを整理する。
分数表記
出力をフルパワーに対する比率で表す方式。1/1がフルパワーで、以降1/2、1/4、1/8と続く。
1/1 → 1/2 → 1/4 → 1/8 → 1/16 → 1/32 → 1/64 → 1/128
隣り合うステップ間が1段(1 stop)に対応し、光量がちょうど半分になる。中間値は機種によって1/3段刻みや1/10段刻みで調整できる(例: 1/16+0.3、1/16+0.7)。
分数がそのまま最大出力に対する割合を示すため、「今フルパワーの何分の1で発光しているか」が一目でわかる。GodoxやCanon、Nikonのスピードライトなど多くのメーカーが採用しており、メーカーを問わず通じる事実上の標準表記である。
数値表記(ストップスケール)
出力を数値で表す方式。代表的なのはProfotoのスケールで、2.0から10.0の範囲で表示される。数値1.0の変化が1段に対応する。
10.0(フルパワー/1/1)→ 9.0(1/2)→ 8.0(1/4)→ 7.0(1/8)→ ...
0.1刻みで調整でき、これは1/10段に相当する。Elinchromも同様の数値方式を採用している。
なお、一部のGodox機種では設定によって分数表記と数値表記を切り替えられる。
ライティングでは数値表記が便利な場面がある
ライティングでは「メインライトを1段落としたい」、「キーとフィルの光量差を2段にしたい」といった段数ベースの調整が頻繁に発生する。
数値表記では、1段変えたければ数値を1.0動かすだけで済む。2灯間の光量比を2段差にしたければ、数値を2.0離せばよい。計算が単純な足し引きで完結する。
分数表記で同じことをする場合、1/16から1段上げるなら1/8、2段なら1/4と、2の冪乗の系列を把握しておく必要がある。慣れれば即座に対応できるが、数値表記の方が段数の加減算を直感的に行える。
まとめ
分数表記は最大出力に対する比率を直接示すため、出力の絶対的な位置を把握しやすい。数値表記は段数の加減算が単純な四則演算になるため、複数灯の光量バランス調整に向いている。どちらが優れているというものではなく、両方の仕組みを理解しておくと、機材やシーンを問わず柔軟に対応できる。