大学の国際化

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本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。

大学の国際交流を考えるとき、経営的観点、地理的観点、ナショナリズム的観点など様々な切り口が考えられる。本稿では人的資源の交流という観点から大学の国際交流活動について考察を深め、今後の展開について論じる。

学生の国際交流

学生の国際交流は主に留学というかたちで行われる。海外からの交流としては外国人留学生の受け入れがその最たるものであり、国際交流活動を続けていくうえで留学生への待遇改善は大きな課題である。

滝沢によれば「留学生といえども、わが国で学び、研究する学生・院生であるから、その専門的力を身につけ、さらに高めるために、カリキュラムの改善、指導体制の確立、施設の整備など日本人学生と同様のことを常に意識しなければならない」と主張している(1)。また、外国人留学生の生活保障について「アジアからの留学生にとって、日本での生活費の高さは耐えられないものである。国費留学生にたいする奨学金を含めた種々の待遇改善をはかることはもちろん、私費留学生にたいしても、奨学金の給付、授業料の免除(減免)など、勉学に励める環境を整える必要がある」と指摘している(2)。

受け入れだけでなく、日本から海外への留学という点においても経済的な支援は欠かせない。留学を志す学生が経済的理由によって断念することなく、国際的な学びの機会を得られる環境づくりが求められている。

教員・研究者の国際交流

大学における教員は研究を行っており、研究者の国際交流は研究活動において非常に重要である。滝沢は「学問はその普遍的性格ゆえに国際的である」と述べており(3)、研究をするうえで国際交流が強く求められていることがわかる。

滝沢によれば「文部科学省には『国際研究集会派遣研究員制度』と『国際シンポジウム助成』があるが、予算はここ数年微増か横這いであって、助成を受けるのはなかなか難しい。(中略)財団のプロジェクトの研究助成の中から費用をだしたり、文部科学研究費補助金(科研費)を使うこともある」とのことである(4)。こうした現状でありながらも科研費は申請型をとり続けているため、業績主義的な傾向に陥りやすい。この現状を打破するには、国が高等教育に対する支援をより充実させていくことが根本的な解決策になると考えられる。

また、近年ではインターネットの急速な普及により、国際交流のあり方そのものも変化しつつある。滝沢は「特定の研究者間の交流を越えて、研究成果を世界的な財産として蓄積していく、一つの有効な方法になっている」と論じている(5)。デジタル技術の発展は、物理的な移動を伴わない新たな国際交流の形を切り拓きつつあるといえる。

まとめ

本稿では、大学で教育を受ける人的資源(学生)と研究をする人的資源(教員・研究者)とに分けて、大学の国際交流活動について分析した。人的資源に着目する限り、日本において国際交流活動の活発化が妨げられている主な原因は経済的な要因にあることが明らかとなった。

大学の国際交流がひとたび活発になれば、教育および研究の両分野において大きな進歩が期待できる。今後の大学の国際交流を推進していくためには、国による支援の充実が不可欠であり、同時にデジタル技術を活用した新たな交流形態の模索も重要な課題となるだろう。


  • (1) 滝沢清「第10章 国際交流」『21世紀の大学像を求めて』日本科学者会議大学問題委員会 編、水曜社、2000年、p. 185
  • (2) 同書、pp. 184-186
  • (3) 同書、p. 184
  • (4) 同書、p. 188
  • (5) 同書、p. 190

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