AVIFを使っていこうと思った話

AVIFを使っていこうと思った話

以前の記事の振り返り

以前、ブログで使うWeb用の画像のフォーマットについて検討するで「Web用の画像フォーマット」を比較して、当時は WebPがいちばん現実的という結論にしていた。

ブログで使うWeb用の画像のフォーマットについて検討する
背景と目的 普段から写真撮影を行っていると、画像ファイルが占める容量は無視できない規模になる。現在はNASとAmazon Photosに保存しているため、容量的な制約は少ないものの、ファイルサイズが小さくできるのであれば小さくしておく方が合理的だ。特にWeb公開を前提とする場合、ファイルサイズはアップロード・ダウンロード、そしてページ表示時間に直結するため、可能な限り小さい方が望ましい。 これまでは現像ソフトからJPEG品質100で出力し、Web用途など容量削減が望ましいケースではWebPに変換してきた。RAWファイルは別途バックアップしてアーカイブとして保存している。目視で画質劣化が認められないのであれば、全てWebPで保存しても問題ないのではないかと考えたが、より優れたフォーマットが存在する可能性があるため、現在利用可能な画像フォーマットについて調査した。 主要な画像フォーマットの特徴 JPEG 最も広く普及している画像フォーマットで、互換性に関する信頼性は高い。しかし、規格自体が古く、現代的な圧縮技術と比較すると効率は劣る。 JPEGについて知っておくべきすべての

その後も基本はWebP運用で困っていなかったのだけれど、最近読んだ記事がかなり腑に落ちたので、ここで方針を更新しておく。


きっかけになった記事

Qiitaのこの記事を読んだ。

画像圧縮するベストな方法(2025) - Qiita

要点は、QP値をそろえて比較するのは「全く意味がありません.」という指摘と、比較するなら「横軸にbpp,縦軸に評価指標を並べたグラフをRD曲線と呼びます.」という話。

そしてまとめとしては「いろいろグラフをプロットして見ると,比較した範囲内では,AVIF(OpenCVでも使える)が性能が最も良さそうなことがわかりました.」という結論。

自分の理解としては、これまで「次世代フォーマット=とりあえずWebPが無難」くらいの気持ちでいたけど、ちゃんとRD曲線で見ると、WebPは宣伝されているほど圧倒的でもない場面があるっぽい。

それなら、現状のブラウザ対応も含めて、写真用途はまずAVIFでいってよさそう、という判断になった。


AVIFに寄せる判断

自分の用途は「写真をWebで見せる」なので、最優先は次。

  • 見た目の品質を保ったまま軽くしたい
  • 主要ブラウザで普通に表示できること
  • 変換はバッチでやるので、エンコードが遅いのはある程度許容できる

この前提だと、

  • 圧縮効率が強い
  • デコード(表示)側は実用上そこまで問題になりにくい

という点で、AVIFを優先していくのは合理的に思えた。


運用メモ(暫定)

当面はこの方針でいく。

  • 写真の公開用は AVIFを第一候補
GitHub - AOMediaCodec/libavif: libavif - Library for encoding and decoding .avif files
libavif - Library for encoding and decoding .avif files - AOMediaCodec/libavif
  • 互換性が気になる場面はフォールバックとして JPEG / WebP を併用
  • 現像ソフトから直接出せない場合は、従来どおり中間生成(JPEG品質高めなど)→ 変換という流れ
  • Ghost(少なくとも公式テーマ)だと、アップロード画像は結局リプロセス(変換・再圧縮)が入る前提で考えた方がよさそう。なので「勝手にWebP化される」こと自体は割り切りつつ、雑に大きい画像を投げるのは避ける(参考: GhostPro supports webp or avif?)。
GhostPro supports webp or avif?
Hello, I searched here: And on this forum and don’t see my question answer already. For GhostPro customers are the official themes set to convert images to webp and/or avif? If not, how can I do that? So far I just see info on how to do this for self-hosted Ghost sites, editing the img helper, which I don’t think applies to GhostPro customers. Expected user story: for GhostPro customers any image they upload is converted to webp or avif. If not, if I upload webp will GhostPro serve that f…

今後やりたいこと

  • 自分のブログで実際に「AVIF化でどれだけ軽くなったか」を数例でログとして残す
  • 変換コマンドと設定(品質、速度、色差など)を固定して手順化する

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Capture Oneに待望のネガフィルム変換機能が来た

2026年4月3日、Capture One 16.7.4 がリリースされた。目玉はなんといっても Negative Film Conversion(ネガフィルム変換) の搭載だ。これまで Cultural Heritage エディション限定だったネガ反転処理が、ついに通常の Capture One Pro / Studio でも使えるようになった。 何が変わったのか 従来、Capture One でネガフィルムをポジに変換するには、Cultural Heritage(CH)エディションを使う必要があった。CH は文化財デジタル化向けの専用製品で、Base Characteristics ツールに Film Negative / Film Positive モードが用意されていた。しかし一般の写真愛好家がフィルムスキャンのためだけに CH を導入するのは現実的ではなく、多くのユーザーは Lightroom とそのプラグイン(Negative Lab

By Sakashita Yasunobu

雨の中、歩くべきか走るべきか

傘を忘れた日の永遠の問い、歩くか、走るか、いやいっそ雨宿りをするのか。物理で決着をつける。 モデル 人体を直方体で近似。上面積 $A_{\text{top}}$(頭・肩)、前面積 $A_{\text{front}}$(胸・顔)。雨は鉛直一様(落下速度 $v_r$、数密度 $n$)、距離 $d$ を速度 $v$ で直線移動する。 人体の直方体モデルは、上から見た水平断面が $A_{\text{top}}$、正面から見た鉛直断面が $A_{\text{front}}$ の二面で構成される。移動方向は水平、雨は鉛直に降る。 受ける雨滴数は、上面が $n v_r A_{\text{top}

By Sakashita Yasunobu

T-GRAIN・Core-Shell・旧式乳剤の定量比較

Kodak T-GRAIN、Ilford Core-Shell、旧式立方晶乳剤。写真フィルムの性能を左右する三つの乳剤技術を、特許文献と数式に基づいて比較する。 1. 出発点: 旧式乳剤の構造と限界 T-MAXやDeltaが何を改良したのかを理解するには、まず従来の乳剤がどのようなものだったかを押さえておく必要がある。 1980年代以前、標準的なハロゲン化銀乳剤はAgBrやAgBr(I)の結晶が立方体(cubic)か不定形(irregular)の形をしていた。Tri-XやHP5の祖先にあたるこれらの乳剤では、結晶のアスペクト比(直径対厚さの比)はおおむね1:1から2:1。三次元的にほぼ等方的な粒子が乳剤層にランダムに散らばっていた。 この形態が感度と粒状性のトレードオフに直結する。立方晶粒子を一辺 $a$ の立方体として近似すると、表面積と体積、そしてその比は次のとおりである。 $$ S_{\text{cubic}} = 6a^2, \quad V_{\text{cubic}} = a^3, \quad \frac{S}{V} = \frac{6}

By Sakashita Yasunobu

クジラはなぜがんにならないのか

体が大きい動物ほど細胞の数が多い。細胞が多ければ、そのうちどれかががん化する確率も高くなるはずだ。ところが現実には、クジラやゾウのがん発生率はヒトよりも低い。1977年、疫学者リチャード・ピートがこの矛盾を指摘した。以来この問いは「ピートのパラドックス」と呼ばれ、比較腫瘍学における最大の謎のひとつであり続けている。 種の中では予測通り、種の間では崩れる 同じ種の中では、直感どおりの傾向が確認されている。身長の高いヒトはそうでないヒトよりがんの発生率がやや高く、年齢を重ねるほどがんは増える。細胞の数が多いほど、細胞分裂の回数が多いほど、がん化の確率は上がる。 しかし種を超えて比較すると、この関係が崩壊する。シロナガスクジラの細胞数はヒトの約1000倍にのぼるが、がんの発生率がヒトの1000倍になるわけではない。哺乳類全体を見渡しても、体サイズとがんリスクの間に明確な正の相関は長い間見つかっていなかった。がんの発生率は種が異なっても約2倍の範囲にしか収まらないとされてきた。体サイズの差は100万倍を超えるにもかかわらず。 ゾウが持つ余分ながん抑制遺伝子 最もよく知られた説明は

By Sakashita Yasunobu