光と写真
写真のしくみ ⑮ 絞りすぎると逆にぼやける理由と最もくっきり写るF値
💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 前回までで、ピントとボケのしくみを見てきました。絞り(F値)を絞れば絞るほど、ピントの合う範囲が広がって、写真はくっきりしていく。それが基本でしたね。 だったら、絞りをめいっぱい絞ればいいじゃないか。F16、F22、もっと絞れるなら絞ってしまえ。そうすれば、すみずみまでカリッとした、最高にくっきりした写真が撮れるはずだ。 ……ところが、そうはいかないのです。 実は絞りすぎると、写真は逆にぼんやりしてしまいます。「えっ、どうして?」と思いますよね。ここには、光という存在そのものの性質と、レンズという道具の宿命が関わっています。今回は「くっきり」の限界に迫っていきましょう。 絞りすぎると起こる「回折」 光は波だ まず、大事なことをひとつ。光は「波」です。 ちょっと意外に聞こえるかもしれません。ふだん光というと、懐中電灯からまっすぐ飛ぶ「線」