光と写真
写真の物理学 ⑬ 同じ被写体サイズでのボケ比較
📐写真の物理学シリーズ ⑬ このシリーズでは、写真にまつわる現象を物理学の言葉で記述する。「なんとなくそうなる」を「なぜそうなるか」に変換することが目的である。 「望遠レンズはボケる」。写真を撮る人なら一度は聞いたことがある。しかしこの命題は、何と比較しているのか、どの条件を揃えているのかを明示しなければ不完全だ。本記事では、被写体を同じ大きさに写す制約のもとで、ボケ量が焦点距離・F値・背景距離の関数としてどう振る舞うかを厳密に記述する。 前提の確認 本稿では、ボケの円を関数で記述するで導出した以下のボケ円径の公式を出発点とする。合焦距離 $d$ にピントを合わせたとき、距離 $d_{\text{bg}}$ にある背景の点光源がセンサー上に作るボケ円の直径 $b$ は $$ b = \frac{f^2}{N} \left| \frac{1}{d} - \frac{1}{d_{\text{bg}}} \right| $$ だ。 $f$ は焦点距離、 $N$