ことばと文学
感想文に何を書けばいいかわからない君たちへ
読書感想文を書けと言われて、一冊の推薦図書を読み終えたとする。読んでいるあいだは、まあ眠くならない程度には面白かった。でも本を閉じた瞬間に出てくる感想は「ふーん」だ。そこから800字を埋めろと言われて、途方に暮れる。 その気持ちは、よくわかる。 でも、ここでひとつだけ伝えたいことがある。感想文は、本当に何を書いてもいい。好き放題、何を書いたっていい。 少し昔の話をさせてほしい。 AIがまだ身近ではなかった頃、自分の思ったことを「それっぽく」見せるために、ちょっとした変換リストのようなものを持っていた。「なんかすげえな」と思ったら「感銘を受けた」と書く。「よく知らないけど、どうやらすごいらしい」は「心の琴線に触れた」になる。そうやって書き換えるだけで、まるで自分の感覚の解像度が上がったような気がしてくる。文筆家でもなんでもないし、自分の文章が上手いとも思っていない。ある種の処世術だ。下手くそで何が悪い、と開き直ってやっていた。 今なら、このくらいのことはAIがやってくれる。思いつくままにぽんぽんと言葉を並べて、あとはいい感じの体裁に仕上げてもらえばいい。 ただ、ここでちょっと