大学生活
大学に入ってから1年が異様に速く感じる理由
高校までの1年は長かった。4月の入学式から3月の終業式まで、体感としても確かに1年分の重みがあった。ところが大学に入った途端、1年が蒸発するように過ぎる。2月になって「え、もう?」と思う。なぜこうなるのか。 二つの「速さ」 時間の速さには、二つの種類がある。経験中の時間(prospective time)と、回想時の時間(retrospective time)だ。 経験中の時間とは、「今この瞬間がどれくらいの速さで流れているか」という感覚だ。退屈な講義の90分は永遠に感じる。逆に、夢中で何かに取り組んでいるとき、時間はあっという間に過ぎる。 回想時の時間とは、「あの期間はどれくらい長かったか」という振り返りの感覚だ。問題はここにある。経験中に「速い」と感じた時間は、振り返ると「短い」。経験中に「遅い」と感じた時間は、振り返ると「長い」。リアルタイムの体感と、記憶の中の体感は、しばしば逆転する。 大学生が感じる「1年が速い」は、主にこの回想時の時間に関わっている。