ことばと文学
趣味を愛する者だけが辿り着く場所
技術の最前線を走っているのは、なぜプロではないのか。 カメラのレンズ光学テストで最も精密なデータを公開しているのは、メーカーでもプロ写真家でもなく、個人の愛好家が運営するWebサイトだ。天文学の新天体発見において、アマチュア観測者は今なお重要な役割を担っている。世界のインターネットインフラの根幹を支えるLinuxは、一人の大学生が趣味で書き始めたコードから生まれた。 「ハイアマチュア」という言葉がある。もともとはカメラ業界のマーケティング用語として定着した言葉で、プロ向けとエントリー向けの間に位置する製品カテゴリを指していた。しかしこの言葉が示す現象は、カメラ業界に限らない。報酬を受け取らないがゆえに、報酬の論理に縛られない人々が、技術や知識の最前線を開拓しているという構造は、あらゆる分野に見られる。 プロは最先端にいない 直感に反するが、多くの分野でプロフェッショナルは技術の最先端にいない。 理由は単純だ。プロは「仕事として成立する範囲」に最適化する。クライアントが求めているのは「十分な品質」であって「到達可能な最高の品質」ではない。納品物の品質を95点から98点に上げる