光と写真
あなたを撮った
街を歩いている。ふと、知らない人がこちらにレンズを向けている。シャッター音が聞こえたかもしれないし、聞こえなかったかもしれない。あなたの顔は、いまこの瞬間、誰かのSDカードに記録された。許可は求められていない。 あなたは怒るだろうか。それとも、気づかないまま歩き続けるだろうか。 ストリートスナップと呼ばれる行為がある。公共の場で、見知らぬ人を、断りなく撮る。撮る側はそれを「表現」と呼び、撮られる側はそれを「侵害」と呼ぶことがある。どちらも間違っていない。どちらも正しくない。この記事はその境界線について書くが、線は引けない。引けないということを、もう少しだけ丁寧に絶望してみたい。 シャッターという所有 スーザン・ソンタグは1977年の『写真論(On Photography)』で、写真を撮る行為を「所有」の一形態として記述した。 To photograph is to appropriate the thing photographed. 撮影することは、撮影された対象を占有することだ、と。カメラは記録装置であると同時に、