生きること
誰も学びを測れない
あなたの学びは数字ひとつで語れるらしい。3.2。あるいは2.7。あるいは3.8。この小数点以下のわずかな差に、何千時間もの思考と迷いと夜更かしと発見が圧縮されている。いや、圧縮されたのではない。消えたのだ。 GPAという仕組みは、ひとりの人間が大学で過ごした数年間を、小数点第二位までの数字に変換する。その数字を見て、企業は採用を判断し、大学院は合否を決め、奨学金の選考委員はファイルを閉じる。数字は便利だ。便利すぎて、数字の向こうに何があったかを誰も問わなくなる。 この文章は、その数字の向こう側を覗こうとする試みだ。覗いた先に何があるかは保証しない。たぶん、何もない。 数字が知性を騙る イギリスの経済学者チャールズ・グッドハートは1975年の講演でひとつの法則を示した。本来は金融政策における統計的規則性についての指摘だったが、後にこう要約されるようになる。 ある指標が目標になると、それは良い指標ではなくなる。 "When a measure becomes a target, it ceases to be a good measure." GPAに当てはめてみると、