光と写真

Light behaves in ways worth understanding. These entries trace the physics of a flash, the chemistry of film, the geometry of a softbox. Some are technical. Others ask why we bother to photograph anything at all.

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写真のしくみ ㊱ 虹・ハロ・逃げ水・光芒が生まれるしくみと撮り方

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 雨あがりの空にかかる虹、太陽のまわりにぽっかり浮かぶ光の輪、夏の道路にキラキラ現れる幻の水たまり、雲のすきまから降りそそぐ光のカーテン。 ふだん何気なく「きれいだなあ」と眺めている空の現象には、どれもちゃんとした理由があります。しかも、そのしくみはびっくりするほどシンプルです。光がまっすぐ進み、何かにぶつかって曲がったりはね返ったりする。たったそれだけのルールで、これだけドラマチックな光景が生まれるのです。 今回は、虹・副虹・ハロ・逃げ水・光芒という5つの「空のふしぎ」を追いかけてみましょう。 虹のひみつ 雨あがりの空に大きなアーチを描く虹。あの美しい色のならびは、いったいどうやって生まれるのでしょうか。 雨つぶは小さなプリズム 理科の授業でプリズム(三角柱のガラス)に白い光を通すと、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の色に分かれるのを見たことはありませんか。虹が生まれるしくみは、まさにあのプリズムと同じです。ただし、プリズ

By Sakashita Yasunobu

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写真のしくみ ㉟ 空の青と夕焼けの赤を生む光の散乱

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 空を見上げてみてください。 昼間はまっさおな青。夕方になると燃えるようなオレンジや赤。朝焼けはやさしいピンクで、曇りの日の雲は白、雨雲はどんよりした灰色。同じ空なのに、こんなにも色が変わるのはなぜでしょう? じつはこの秘密、ぜんぶ「光の散乱」というひとつのしくみで説明できてしまいます。今回は、空の色の正体をいっしょに追いかけていきましょう。 太陽の光は「白」じゃない まず、大前提の話から始めましょう。 ふだん何気なく浴びている太陽の光。あれは「白い光」だと思っている人が多いかもしれません。けれど、太陽の光をプリズム(三角柱のガラス)に通すと、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫と、虹のようにたくさんの色に分かれます。ニュートンが17世紀にやった有名な実験です。つまり太陽の光は、いろいろな色の光が全部混ざった「ごちゃまぜの光」なのです。 色の正体は、

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写真のしくみ ③ 虹が7色に分かれる理由と目に見えない光の正体

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 太陽の光は何色でしょうか。「白」、あるいは「とくに色はついていない」と答える人がほとんどだと思います。ところが、その白い光の中には、赤から紫まで虹のすべての色がこっそり隠れています。それだけではありません。人間の目には絶対に見えない「光」さえ存在するのです。 今回は、光の「色」の正体をさぐり、虹がなぜあんなにきれいに色分かれするのかを解き明かしていきます。そして最後には、目に見えない光の世界にも足を踏み入れてみましょう。 白い光をプリズムで分解する 文房具屋やインテリアショップで、三角柱の形をした透明なガラスを見たことはありませんか。あれをプリズムといいます。 このプリズムを窓辺に持っていって、太陽の光を通してみましょう。すると、壁や床の上に、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫と並んだ色の帯がふわっと現れます。白かったはずの光が、色とりどりに分かれたのです。 🔬この実験を世界で初めて体系的に行い、記録に残したのが、イギリスの科

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写真のしくみ ㊵ 写真のすべては光でつながっている

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 いよいよ最終回です。全40回にわたって続いてきた「写真のしくみ」の旅も、今回でおしまい。 第1回で「光はまっすぐ進む」というたった一つの事実を手にしたところから、ぼくたちの冒険は始まりました。あのとき、まさかここまで遠くに来るとは思わなかったでしょう。レンズの中に逆さまの世界が映ること。シャッターのほんのわずかな時間のちがいで写真がまるで変わること。色という存在がじつは光の波長のちがいにすぎないこと。ぼくたちはたくさんの「えっ、そうだったの?」に出会ってきました。 この最終回では、40回の旅路をもういちど最初からたどりなおしてみましょう。ばらばらに見えていた知識が、じつはひとつの物語としてつながっていることに気づくはずです。 光の旅をたどりなおそう はじまりは「光はまっすぐ進む」 このシリーズで最初に学んだのは、光が持つもっとも基本的な性質でした。光はまっすぐ進む。当たり前のように聞こえますが、この「まっすぐ」がなかっ

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写真のしくみ ⑨ カメラの「瞳」が明るさをあやつる

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 カメラの中をのぞいたことはありますか。レンズの奥に、何枚もの金属の羽根でできた穴が見えます。この穴は大きくなったり小さくなったりして、写真の明るさもボケも変えてしまう。今回は、きみ自身の目にも備わっている「絞り」のしくみと、写真の世界で使われる「F値」の正体に迫ります。 きみの目の中にも「絞り」がある 暗い部屋から急に外に出ると、まぶしくて目がくらむことがありますよね。でも少し待つと、ちゃんと景色が見えるようになります。逆に、明るい場所から暗い部屋に入ると、最初は何も見えないのに、だんだん目が慣れてくる。 これ、きみの目の中で何が起きているか知っていますか? きみの目の中には「虹彩(こうさい)」という色のついた部分があります。日本人なら茶色っぽく、ヨーロッパの人なら青や緑に見えるあの部分です。虹彩の真ん中に開いている黒い穴が「瞳孔(どうこう)」。ふだん「瞳」と呼んでいるのは、実はこの穴のことなんです。 明るい場所では、虹

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写真のしくみ ⑮ 絞りすぎると逆にぼやける理由と最もくっきり写るF値

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 前回までで、ピントとボケのしくみを見てきました。絞り(F値)を絞れば絞るほど、ピントの合う範囲が広がって、写真はくっきりしていく。それが基本でしたね。 だったら、絞りをめいっぱい絞ればいいじゃないか。F16、F22、もっと絞れるなら絞ってしまえ。そうすれば、すみずみまでカリッとした、最高にくっきりした写真が撮れるはずだ。 ……ところが、そうはいかないのです。 実は絞りすぎると、写真は逆にぼんやりしてしまいます。「えっ、どうして?」と思いますよね。ここには、光という存在そのものの性質と、レンズという道具の宿命が関わっています。今回は「くっきり」の限界に迫っていきましょう。 絞りすぎると起こる「回折」 光は波だ まず、大事なことをひとつ。光は「波」です。 ちょっと意外に聞こえるかもしれません。ふだん光というと、懐中電灯からまっすぐ飛ぶ「線」

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写真のしくみ ⑥ 画角と焦点距離が決める写る範囲の広さ

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 前の回で、焦点距離は「レンズから像ができる場所までの距離」だと学びました。では、この数字が変わると、写真にはいったい何が起きるのでしょう。今回は、焦点距離と写る範囲の関係を身近なたとえで解き明かしていきます。 「ズーム」って、結局なんの話? カメラ屋さんのレンズ売り場を歩くと、箱にかならず書いてある数字があります。18mm、35mm、50mm、200mm…。この焦点距離が変わると、写真の何が変わるのか。 答えをひとことで言うと、こうなります。 焦点距離が短い(数字が小さい)ほど、広く写る。焦点距離が長い(数字が大きい)ほど、せまく写る。 これだけです。とてもシンプル。でも、「なぜそうなるの?」を知ると、カメラのことがぐっとおもしろくなります。今回は、そこを探検していきましょう。 窓からのぞくと、なにが見える? いきなりレンズの話をする前に、

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写真のしくみ ⑳ りんごが赤い理由と色が見えるしくみ

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 私たちは毎日、色にあふれた世界で暮らしています。でも「色」は、光のなかにも、目のなかにも、そのままの形では存在していません。光と目と脳が協力してはじめて生まれるものです。 今回は、りんごの赤をきっかけに、色覚のしくみをたどり、デジタルカメラとの意外な共通点まで見ていきましょう。 りんごは「赤い光」を投げ返している きみの目の前に、つやつやの赤いりんごがあるとしましょう。「りんごは赤い」なんて当たり前すぎて、ふだんは気にもとめませんよね。でも、ちょっと待ってください。そもそも、なぜりんごは赤く「見える」のでしょう? 答えを先に言ってしまいましょう。りんごが赤いのは、りんご自身が赤い光を出しているからではありません。 りんごは太陽や蛍光灯の光を浴びて、そのなかの「赤い成分」だけを跳ね返し、残りの色の光をぜんぶ吸い込んでいます。跳ね返った赤い光だけが私たちの目に届くから、りんごは赤く見える。それだけのことです。 たとえ話をしま

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写真のしくみ ㊲ 画面と紙で写真の色が変わるわけ

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 写真を撮った。よく撮れた。さあ、誰かに見せたい。 そのとき写真は、スマホの画面に映るか、紙にプリントされるか、どちらかの姿をとります。画面で見た写真と、プリントした写真。同じデータのはずなのに、色がちょっと違って見えたことはありませんか。「あれ、画面ではもっと鮮やかだったのに」「プリントしたら暗くなった」。これは気のせいではありません。画面と紙では、色をつくるしくみそのものが根本的に違うからです。 今回は、ディスプレイとプリンターがそれぞれどうやって色をつくっているのかをのぞいてみましょう。そして、なぜ画面と紙で色がずれるのか、その理由をつきとめます。 画面の中の小さな光たち スマホやパソコンの画面を、虫めがねでぐーっと拡大してみたことはありますか。やってみると、びっくりする光景が広がっています。画面は、ものすごく小さな光の粒でびっしり埋め尽くされているのです。 この粒のひとつひとつを ピクセル(画素)と呼びます。そして

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写真のしくみ ⑲ ストロボの閃光で動きを止める特別な使い方

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 ある日、コップの水をテーブルにバシャッとこぼしてしまいました。水しぶきが飛び散ります。でもその瞬間を目で追いかけても、ぼんやりした水の塊しか見えません。ところが、ストロボをパッと光らせて写真を撮ると、空中に浮かぶ水滴のひとつひとつが、ガラス玉のようにくっきりと写ります。 なぜストロボを使うと、肉眼では見えないものが写るのでしょうか。今回は、ストロボの「光の短さ」という特別な性質と、それを活かしたいくつかのテクニックを見ていきましょう。 ストロボの光はどれくらい短い? ストロボの光は、パッと見ると一瞬です。でも「一瞬」といっても、いったいどれくらいの時間なのでしょうか。 人間のまばたきは、だいたい0.3秒くらいかかります。カメラのシャッタースピードでいうと約1/3秒。日常生活では「すごく速い」と感じるかもしれませんが、カメラの世界ではかなりのんびりした速度です。 ストロボの光は、それよりもずっと短くなります。カメラの上に取

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写真のしくみ ㉗ フィルムの性格を決める感度と粒子と色の個性

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 フィルムには「感度」というものがあります。ISO 100、ISO 400、ISO 800……。箱に書いてあるこの数字、じつはフィルムの写りをまるごと変えてしまうほど大きな意味を持っています。 同じカメラ、同じレンズで撮っても、フィルムを変えるだけで写真の雰囲気はがらりと変わります。なめらかでしっとりした写真になったり、ザラザラと荒々しい写真になったり。明るいところの粘り方も、色の出方も、フィルムごとにまったく違います。 今回は、フィルムの「性格」を決めている正体に迫ります。 感度ってなんだ? フィルムの感度とは、ひとことで言えば「光に対するフィルムの敏感さ」です。 ISO 100のフィルムは、光にちょっと鈍感。しっかり光を当ててあげないと像が写りません。一方、ISO 800のフィルムは光にとても敏感で、少しの光でもちゃんと反応します。 暗い部屋で写真を撮りたいとき、ISO 100だとシャッターを長く開けなければなりませ

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写真のしくみ ② 光の屈折とストローが水の中で折れて見える理由

💡シリーズ「写真のしくみ」について 光はまっすぐ進み、レンズは世界をひっくり返す。写真と映像にひそむ小さな「なぜ?」を、数式なしで解き明かす全40回。 前回は「光はまっすぐ進む」という性質だけで、影のしくみからカメラ・オブスクラの原理まで一気にたどりつきました。でも実は、光には「曲がる」瞬間があります。その現象の名前は屈折(くっせつ)。今回はこの屈折を追いかけて、ストローが水の中で折れて見える不思議から、ダイヤモンドの輝きの秘密まで駆け抜けましょう。 「あれ、ストローが折れてる!」 コップに水を入れて、ストローをさしてみましょう。横から眺めると、水面のところでストローがカクッと折れ曲がって見えます。もちろん、ストローは折れていません。引き抜けばまっすぐなままです。 プールに入ったことがある人なら、こんな経験もあるはずです。プールの底を見ると、なんだか浅く見える。「このくらいなら足がつきそう」と思って飛び込んだら、思ったより深かった。あるいは、水の中の自分の足が、妙に短く見えたことはないでしょうか。 これらはすべて、屈折が引き起こしている現象です。では、そのしくみをひとつず

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