大学生活
哲学を学ぶデメリットあるいはメリット
「それって、どういう意味で言ってる?」 友人が「やっぱり努力って大事だよね」と言った。何気ない発言だ。同意すれば会話は流れる。しかし哲学科で二年を過ごした頭が勝手に動く。「努力」とは何を指しているのか。量の問題なのか、質の問題なのか。結果が伴わなければ努力ではないのか。そもそも努力できるかどうかは本人の意志だけの問題なのか。 「ねえ、そもそも努力って何?」 こうして、場の空気は死ぬ。 哲学を学ぶと、日常の会話が噛み合わなくなる。哲学が悪いわけでも、友人が悪いわけでもない。哲学的な思考と日常会話には、根本的な速度差と目的の違いがある。その差を自覚しないと、ただ「面倒くさい人」になるだけだ。 前提を確認したくなる 哲学では、議論の前に前提を確認する。 「幸せになりたい」と誰かが言ったとする。哲学の訓練を受けた人間の頭には、即座に疑問が浮かぶ。「幸せ」は主観的な感情のことか、客観的な状態のことか。快楽の多さを指しているのか、人生全体の充実を指しているのか。アリストテレス的なエウダイモニア(徳の実現としての善い生)なのか、功利主義的な快楽計算なのか。 日常会話では、こうした疑