おぼえ

Something was studied, and this is what it left behind — not the lesson itself, but the marks it left on the way through.

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品詞・活用・誤用分析

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 日本語の文法には、学校教育で学ぶ「国文法」と、日本語学習者向けに整理された「日本語教育文法」という2つの体系がある。本稿ではその違いを踏まえながら、品詞の判定方法、動詞の活用体系、そして学習者の誤用分析について概観する。 国文法と日本語教育文法の根本的な違い 国文法は古文の文法との歴史的なつながりを重視した体系であり、学術的な完全性を志向している。一方、日本語教育文法は学習者が実際に日本語を運用することを重視し、国文法をもとに必要なものを吸味して整理しなおしたものである。 その典型的な違いが動詞の分類に現れる。国文法では活用の種類を5つ(五段・上一段・下一段・サ変・カ変)、活用形を6つ(未然・連用・終止・連体・仮定・命令)で整理する。一方、日本語教育文法では活用の種類を3グループに簡素化し、活用形も「ます形」「辞書形」「ない形」「た形」「て形」など機能別に提示する。「話さない」を国文法では「はな(語幹)+さ(未然形)+ない(

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日本語の文字と表記

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 日本語はアルファベット以外の文字を使用し、しかも3つの文字体系を併用する「漢字仮名混じり文」という世界的にも極めて特殊な表記法を持つ。本稿ではまず音声に関する重要な現象を確認したうえで、日本語の文字体系の全体像を概観する。 母音の無声化 母音は本来有声音だが、特定の環境では声帯振動を伴わずに発音されることがある。これが母音の無声化である。無声化しやすいのはイとウの2つで、主に2つの環境で生じる。 第一は無声子音に挟まれた環境で、「くさ」「きかい」「つくえ」などがこれにあたる。第二は無声子音のうしろで後続音がない環境で、「~です」「~ます」の語尾がその典型である。日本語の「です」「ます」が自然に聞こえるためには、語末のウの無声化が重要な役割を果たしている。 音素と異音: 「同じ音」の多様な姿 日本語話者が「同じ音」として認識しているものが、実際にはまったく異なる音として発音されていることがある。音韻論ではこれを「音素」と「異音」の関係として説明する。 代表的な例が撥音「ん」(音素/

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日本語の音声体系

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 日本語の音声には、他の言語にはない独特の特徴がいくつもある。本稿では「外国語としての日本語」という視点から、日本語の音声体系を拍・アクセント・プロソディ・調音の各側面から概観する。 拍(モーラ): 日本語のリズムを支える単位 日本語の音声を特徴づける最も基本的な単位が「拍」(モーラ)である。拍とは、日本語話者にとって長さがほぼ等しいと認識される音韻的な時間単位のことだ。子どもの遊び「グリコ」で一歩ずつ手をたたくリズムに、この拍感覚が如実に現れている。 拍を数える基本原則は「仮名1文字=1拍」である。ただし例外がいくつかある。拗音(「ちゃ」「しゅ」「きょ」など)は仮名2文字で1拍として数える。また特殊拍として長音「ー」、促音「ッ」、撥音「ン」はそれぞれ独立した1拍である。「びょういん」は「び・ょう・い・ん」で4拍、「きっぷ」

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大学の戦略的ガバナンス

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 社会は変わり、大学を取り囲む環境も大きく変わった。これにより大学もよりよいあり方をそれぞれが自問する時期を迎えている。大学が象牙の塔であり続けることは時代に合わなくなっており、効率的な経営が求められるようになった。効果的な経営を戦略的に進めていくうえで、統制には内的なものと外的なものがある。本稿では内的な統制としてガバナンスに着目し、戦略的なガバナンスが求められる背景と今後の展望について論じる。 大学のガバナンスの現在 大学のガバナンスの必要性が生じた背景を、経営という視点と組織モデルという二つの視点から考察する。 経営から見たガバナンスの必要性 Michael Shattock によれば、大学経営の手法は university administration(大学管理)から university management(大学経営)へ、そして現代では strategic management(戦略的経営)へと段階を経て移行しているという(1)。また、Shattock は戦略的経営が注目さ

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大学の国際化

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 大学の国際交流を考えるとき、経営的観点、地理的観点、ナショナリズム的観点など様々な切り口が考えられる。本稿では人的資源の交流という観点から大学の国際交流活動について考察を深め、今後の展開について論じる。 学生の国際交流 学生の国際交流は主に留学というかたちで行われる。海外からの交流としては外国人留学生の受け入れがその最たるものであり、国際交流活動を続けていくうえで留学生への待遇改善は大きな課題である。 滝沢によれば「留学生といえども、わが国で学び、研究する学生・院生であるから、その専門的力を身につけ、さらに高めるために、カリキュラムの改善、指導体制の確立、施設の整備など日本人学生と同様のことを常に意識しなければならない」と主張している(1)。また、外国人留学生の生活保障について「アジアからの留学生にとって、日本での生活費の高さは耐えられないものである。国費留学生にたいする奨学金を含めた種々の待遇改善をはかることはもちろん、私費留学生にたいしても、奨学金の給付、授業料の免除(減免)など、勉

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大学間連携の未来

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 M. Trowによって提唱された大学区分において、日本は現在ユニバーサル型へ変化しており、各大学はそのあり方の見直しに迫られている。そうしたなかで、他大学との提携を結ぶ大学もあらわれている。本稿ではそのあり方について「水平的」および「垂直的」視点から分析し、大学の将来像について模索していくこととする。 水平的連携:大学同士の提携 大学同士の連携のことを水平的連携と呼ぶこととする。水平的連携の視点からは、大学が提携を深めることによって、各大学の資源の有効活用や自身の特色を発揮するだけでなく、成長させることができ、企業における分業化のような効果が期待できる。さらには、社会の大学へのニーズにより的確に応えることができると考えられる。中元によると「共同事業体(大学コンソーシアム)で得ることが可能なメリットとして、(1)スケールメリット(規模の経済による効果)、(2)シナジー(単なる合力を超えた相乗効果)、(3)パイロットプログラム(試行実証・普及)、(4)相互補完(資源を持ち合うことで自大学の特色

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大学発ベンチャーと技術移転

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 本稿の目的 本稿では大学発ベンチャーの特徴について整理した後に、そこから考えられる大学発ベンチャーの社会的利点について考察する。 ベンチャー企業の特徴:大企業との比較 長谷川は、事業に失敗する理由について大企業と比較を行い、共通点は「未知の分野への展開」、相違点としては「ベンチャー企業は資金力、信用力が圧倒的に大企業に比べて不足しており、また、人材も一般的に集まりにくいと言われている」と整理している(1)。大学発ベンチャーでは、大学での研究を生かし、優秀な研究者などの人材の登用が期待できる。 大学発ベンチャーへの期待 大学に限らず、企業や経済のあり方、文化などですら国際化の大きな流れがある。大学にもいずれそうした流れが来ると考えられる。国際化する市場のなかで今後はベンチャーのあり方も多様化していくと考えられる。岡村、五十嵐によると、大学での研究を企業が転用するあり方は一般に技術移転(TLO: Technology Licensing Organization)と呼ばれ、活発化して

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大学の理念と個性

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 本稿では大学の理念に着目し、その経営機能としての広報活動を明らかにすることとする。なお、本稿では上智大学について調査を行った。 大学の理念:上智大学から 以下は上智大学の理念をホームページから引用したものである(1)。 上智大学は、キリスト教精神を基底とし、真実と価値を求めて、人間形成につとめるものの共同社会である。したがって、本学は、構成員のおのおのが、人格の尊厳と基本的人権を認め合い、責任ある連帯感と謙虚な心構えをもって、それぞれの持ち場で、大学の形成に参加することを期待する。 教授は、学術の研究を尊重し、みずからの研究を深めることを通して、人類の精神的・知的文化を新しい世代に伝達するとともに、現代に生起する諸問題に目をそそぎ、人類の当面する課題について、意識を喚起するよう心掛けることが必要である。 学生は、専攻の学問を研究すると同時に、現代社会に対する鋭敏な問題意識と判断力を養成することが必要である。これによって、学生はみずからの人格を形成し、社会の建設に貢献する力を身につける

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大学構成員の多様化

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 多様化する大学構成員への対応によって、大学のあり方にも変化が生じている。大学には学問の研究を目的とする教授などのほかに、一般事務を行うその他の職員も存在する。そのどちらも巨大な組織である大学の運営に欠かせないものであるが、組織内での立ち位置や具体的業務は異なる。本稿では大学の主たる構成員を教員、職員、学生の三者に分けて整理し、それぞれの多様化が大学の組織運営にもたらす課題について考察する。 教員の役割と変化 大学教員は教育と研究の両方を担う存在であり、それが大学教員の最大の特徴である。近年では従来の研究・教育に加えて、産学連携や地域貢献、大学運営への参画など、教員に求められる役割は拡大している。また、任期付きポストの増加やテニュアトラック制度の導入など、雇用形態の多様化も進んでいる。こうした変化は教員のキャリアパスに影響を及ぼすだけでなく、大学全体の研究力や教育力にも関わる問題である。 職員の専門化 大学職員についても、その業務内容は大きく変化している。かつては教員の補助的な事務作業

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大学入試と選抜

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 本稿の目的 入試には大学の財源確保という側面や、そもそも大学が高等教育を施す学術研究中心であり、文化に関して寄与する部分も大きく、長期的な視点から見ると、単に財政的視点から考察することは短絡的な結論を導いてしまう危険性をはらむ。そのため、本稿ではむしろ学生と大学の関係性から眺めた入試について論じる。 入試のあり方 現代の日本の大学はM. トロウの提唱した高等教育の分類では、ユニバーサル型へ進歩した状態であるが、大学の大衆化が指し示す状況は、国民のほとんどが大学に行くことができるようになった社会がすでに形成されたということでもあり、昔に比べ大学に入ってくる学生も多様化するのは自明といえる。歯止めがきかない少子化と増える大学数がすでに調和を超えており、大学側も受験者の多様化への対応を迫られている。入試を構成する要因は多く、天野は例として「大学としての個性、属性」、具体的には「校風とか伝統といわれるもの」、「教育内容、カリキュラム」として挙げている(1)。本稿では、前者の要素にさらに学力、授

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大学の管理運営と多様化

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 大学に限った話ではなく、事業を円滑に動かすためには合理的・効率的な運営が必要となる。そのための大学の管理運営のあり方のひとつとして江原は「大学構成員、特に大学教員の考え方や意思決定を重視する同僚性的管理運営から、大学の経営責任がある理事会の理事と学長とか副学長などの上級大学管理者の権限が強い企業的管理運営へ変化すること」を提唱している(1)。大学が企業的に行動することで、市場によって競争が促されることが期待される。 McNayの分類による管理運営の理解 講義によればMcNayの分類では、同僚制は外部統制も内部統制もともに緩やかであり、その特徴は「規則は緩く、大学の方針は明確に示されない」ため「発展期に有効」である。また、企業制とは、外部統制が緩やかである一方で内部統制は厳しいという分類がなされている。その特徴は「規則は緩いが大学の方針は計画的に策定される」というものである(2)。異なった視点からでは、たとえば、現在の日本ではトロウが提唱したマス型の教育からユニバーサル型へ移行しつつある

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大学と地域貢献

📝本稿は筆者が大学の授業で学んだ内容をもとに、独自の考察を加えて再構成したものである。 近年の社会では大学と地域社会の関わり方が変わり、社会貢献責任の考え方の広がりなどに伴い、大学が地域と連携していくことが期待されている。本稿では、大学の地域貢献から原点に立ちかえり、今後大学がどのようにして地域連携していくべきかを論ずることによって、地域社会へ貢献する目的と問題点について明らかにすることを目的とする。 大学の地域貢献と学術探究の関係 まず、近年の大学による地域貢献の期待の高まりについて、梶は地域貢献を「大学の『第3の機能』」と指摘している(1)。このように、たしかに大学の機能が地域貢献に関して拡大してきているが、大学の最も重要な機能は学術の探究である(2)。大学の機能に関して草原も「大学の社会的責任には多様な側面があるが、最も重要かつ基本的なことは『学問を通じて貢献すること』だ」と強調している(3)。このことから、筆者は大学が自身の特性を生かした地域連携のあり方を模索していくべきだと考える。すなわち大学は必ずしも地域貢献に直結する事業のみから地域と連携しなければならないわけで

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